臨床の学び舎おんせいげんご BLOG

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10/29 ことのわ会でした!

 前回は、直接的な印象の作用を克服して、言語教示に従えるようになるのは3歳6ヶ月ごろであるという内容まで読みました。

 

(前回のブログより引用。)

実験で、言語教示の内容と視覚的経験の内容を異なったものにする(例:「私がグーを出したときは、君はパーを出しなさい」)課題では、3才ごろまでの子どもは、求められている反応を正しく実行できず、直接的な模倣運動に変えてしまいますが、3才~3才6ヶ月になると、正確に実行されます。

 

 今回は、前回までの振り返りをしながら、その続きを少しだけ読み進めました。

 

 まず、一つの行為ではなく行為の系列についての言及がありました。

 2才ごろの子どもは、言語教示によって単一の行為を実行することができるが、行為の系列を実行することができない、ということが、B.B. レベディンスキーらの実験結果によって示されたというものです。

 

 例えば、(言語教示で)色を交互に変えておはじきを並べる課題。


 白の次に黒を置くが、その後惰性的な行為に「すべり落ち」、黒、黒を続けて置いてしまう。



 3歳半になると、このプログラムはうまく実行できるということですが、非対称的なプログラム(2つ白を置いて次に1つ黒を置く)になると実行困難とのことです。



 さらに、自身の運動の交替を必要とするような円と十字を交互に描く課題では、4才~4才半になって、はじめて実行可能となると述べられています。

 

 この実験結果が、大人の言語教示による子供の行為の調節機能は漸次的に発達すること示すとされていますが、この「大人の言語教示に従う」という行為に関わっている諸々の機能(記憶、注意、言語理解等々)について各発達段階でどのように捉えるべきかという視点も合わせて考える必要があるかと思われました。