臨床の学び舎おんせいげんご BLOG

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11/11 京都おんせいげんごでした。

11/11 14:00~より京都先端科学大学の古田研究室にて、京都おんせいげんごを開催いたしました。演目は10年来の失語症の方の経過報告について学ばせてもらうという内容でした。

発語はほぼ難しく、音声や文字を理解することについてもほとんど難しかった方に、いろいろな課題提示を工面して、その課題内容を足掛かりにして少しづつ少しづつ、変化されていく様子を報告してくださっています。

 

本勉強会の定番の症例さんと言ってもよい方の報告ですが、やはり学びが多い。今回はメンバーが「赤ちゃんは母の胎内ではリズムを聞いている」という今井むつみ先生からの引用を加えて、失語症への課題提示を考えるなど新たな切り口も登場しました。また副詞やモダリティーなどを用いることで促通される様子なども大変興味深かった。

 

以前にある学生さんから、「言語学って現場の役に立つの?」と問われたことがあります。この方への関わりを一緒に聞きたいですね。失語症の方に対して、日本語が持つ言語学的構造や機能を手掛かりにして、その運用の再促通をサポートする。それを提案するのがSTさんなんでしょうね。特にこの症例さんが発症から10年ちかく経過しているにも関わらず、提案した課題に反応し、そしてその結果(気づき)が新しい表現手段として定着されていく様をみていると思います。

 

また次回、興味深い議論が楽しみです。

 

古田