臨床の学び舎おんせいげんご BLOG

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3/12 「京都おんせいげんご」でした。

久々に「京都おんせいげんご」を京都アスニーで行いました!(もちろん、感染対策、ソーシャルディスタンス保持で…まぁ、会議室に参加者4人ですから自然と保持されますね。)

 

 まずは日本語の音韻について。「前鼻子音」という発音?について古田から文献の報告をさせて頂きました。日本語学的に濁音とされる音韻は、現代の一般的な音声学では、単に有声音で分類される。でも、実は日本語を古く辿ると「濁音」はただ単なる有声性だけで表現されていたわけではなさそうで、有声性に加えて「鼻音のニュアンス」も少なくなかったとされる…。そんなお話でした。日本語における「濁音」という認識と「鼻音性」の存在を古典に垣間見たという感じです。

 個人的な意見ですが・・・今でもガ行は有声音だけでなくあきらかな鼻音の[ŋ]も異音として認めてますし、ダ行とかバ行とかも音声のレベルでは個人や状況によって・・・どうでしょうね。

 

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参考文献:日本語音韻史の動的諸相と日本語音韻史の動的諸相と蜆縮涼鼓集 (高山知明著、笠間書院、2014)

 

 次に日本語の母音の調音について、報告する予定でしたが、これは時間の都合で先送りとなりました。また次回以降、日本語の調音について、ちょっと踏み込んだ文献を用いて「母音」から順に紹介したいと思います。

 つづいて、英さんからルリアの心理学『言語と意識』から、ダイジェストの続きをご紹介いただきました。今回は「語のカテゴリー的意義」ということで、「語」についての視点を学びました。

 詳細はまた機会があれば報告させて頂きます。ルリアの心理学については「ことのわ会」のほうで引き続き、展開されますので、興味のある方は是非、そちらの方への参加もご一考ください!

 

onsei-gengo.jimdosite.com

 

 また次回の「京都おんせいげんご」の予定日は、決まり次第、HP、Twitterで報告させて頂きます。おおよそ6月後半以降の予定です。

 

古田