そう思える内容が書いてあるのが、『日本語の母音,子音,音節 : 調音運動の実験音声学的研究(国立国語研究所発行)』だと思います。一度、光華おんせいげんごで紹介しています。2人の言語学者がレントゲンやパラトグラフ、呼気圧測定などを駆使して日本語音韻のほとんどに挑んでいます。
おんせいげんごで紹介した折に。どれだけ詳しくても「単一事例」という指摘は確かにできるわけですが、この詳しさはやはり類を見ないとあらためて思う。個人的には、日本語の調音についてはこれを読んでから研究的なことを始めなければ、いろいろと自分で苦心して調べたあとで「すでに指摘してるんかい!」ってことになりそうだと怯えています。
ただ原著はほんと、読みにくいです。例えば、東大の先生2人で書いているのに、なんでか平仮名が多い。フォネーム、音節などの用語が今となっては古い。今ではよく使われる「ふぉ」などの音が割愛されている。…などちょっと内容以前のハードルがいくつかあります。
興味の沸いた方は以下のURLから無料ダウンロードして、こっそり職場でプリントアウトするか、PDFで読むか…楽しんでみてください。ちなみに、私の趣味で改訂版(現代語訳?)を作っています。それが欲しい方はおんせいげんごの際にお声かけ下さい。
『日本語の母音,子音,音節 : 調音運動の実験音声学的研究(国立国語研究所発行)』
http://doi.org/10.15084/00001212